偽関節に移行しやすい「舟状骨骨折」について解説します。

偽関節に移行しやすい「舟状骨骨折」について解説します。

舟状骨骨折とは?

主に転倒などによって、手首を強く着いた時に発生します。スポーツ中の転倒によるものが半数近くを占めている点も特徴です。


同様の姿勢で転倒を起こした場合、橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)を起こすことがほとんどですが、10代から20代の青年期の場合は舟状骨の骨折に繋がる事もあります。  

橈骨遠位端骨折と違う点を以下に挙げてみます。

腫れが小さい
骨折のずれが小さい場合には痛みもあまり強く出ないケースが多い
レントゲンで見えにくい

橈骨遠位端骨折と違い、上記のような特徴を持っているため、痛みが出てすぐにレントゲンを撮っても、骨折が見つからないケースもあります。放置してしまうと、骨折端が変形してしまう「偽関節(ぎかんせつ)」に移行してしまうケースもあります。

他の骨折とは違い、舟状骨骨折は、偽関節が発生しやすい骨折と言われています。

舟状骨骨折ではどんな症状が出現するか?

急性期と、慢性化した場合とで、異なる症状が出現します。

✅急性期:手首の母指側の腫れ・痛み
✅慢性期:偽関節に移行する可能性がある。その場合、手首の変形や、痛みの残存、または手首に力が入りにくいという症状が出現する

舟状骨骨折の特徴とは?

舟状骨の血行には特徴があり、指先から手首に向かうように血液の流れが出来ています。舟状骨の腰部と呼ばれる場所に骨折が起こった場合、上記の特徴から血行不良が起こりやすく、偽関節に移行しやすくなります。

また、レントゲンに移りにくく、症状も比較的軽く出現するため、手関節捻挫として診断されることもあり、放置されることもある骨折の一つです。こういった解剖学的な特徴があるために、偽関節という状態になりやすくなっています。

舟状骨骨折の一般的な検査と治療法とは?

画像診断にて、確認をした後に、実際の治療に移っていきます。

【検査】レントゲンや、MRIなどの画像診断で骨折を確認します。レントゲンの場合、初期だと骨折端が見つからないケースもあり、2~3週間後に再検査をするという流れもあるようです。

【治療】:保存療法と手術療法に分かれます。

〇保存療法:骨折なので、基本はギプス固定を行います。おおよそ骨折部が癒合するまで、6~8週間程度かかるようです。但し、舟状骨は血行が悪いため、癒合までに時間がかかるケースもあるようです。


〇手術療法:骨折部のズレが少ない場合は局所にネジを埋め込む形で固定を行います。もし、偽関節に移行してしまった場合、他の部位から骨を移植する形式の手術を行います。

手肩改善センターの施術方法とは?

繰り返し上げている通り、舟状骨自体は血行があまり良くない部位のため、骨折の癒合がなかなか進まないという特徴があります。そのため、手肩改善センターでは、舟状骨の癒合を少しでも促進できるような観点から施術を行います。

手首に向かっていく血管は元をたどれば首や脊柱から始まっています。例えば以下のような点を考えていきます。

首周りは緊張していないか?
脊柱周囲で緊張している所はないか?
巻き肩などで胸部が圧迫されていないか?

などがあると、手首に向かっていく血管も圧迫されてしまい、血行不良を起こす事も考えられます。骨折部位は手首でも首や脊柱といった所を見る事でアプローチしていく事は十分に可能になっています。

終わりに

手首の痛みで気になっている方、舟状骨骨折から早く復帰してスポーツに取り組みたい方、一度手肩改善センターにご相談くださいね。