美容師必見!手の痺れは胸郭出口症候群かも!?

美容師必見!手の痺れは胸郭出口症候群かも!?

「手が冷える」「手が痺れてくる」など手の問題で困っている美容師を対象に美容師が罹りやすい手の疾患について解説しながら、解消するには何をしたらいいのかまでお伝えしていきます。

このブログを通して美容師の方々の職業人生を一日でも多く、より快適に仕事が出来る手助けができれば幸いです。

その手の痺れは放っておいては危険かも!?

カット、ブローをするときに腕を上げて作業しているときに徐々に手に痺れや冷感を感じているということはありませんか?

もしかするとそれは『胸郭出口症候群』かもしれません。

「え?出口?どこが出口?」って思われたかもしれません笑 まず言葉の意味合いから理解していきましょう。

胸郭とは胸、肋骨前面と思いっていただいて結構です。その出口とは肋骨から腕に行く部分が出口になります。

胸郭出口症候群とは?

頸椎、胸椎の1番の神経は腕の運動と近くを支配しており、手の方に神経が向かっています。その中で、いくつかの筋肉の間を通り抜けていてそのトンネルのような部分が絞扼と言って締め付けられた状態を胸郭出口症候群といいます。

なぜ、鈍痛や冷感が生じるの?

胸郭出口症候群の方には鈍痛、冷感、それ以外にチアノーゼ、浮腫が生じることもあります。チアノーゼとは酸欠状態になり唇が青くなってしまう現象です。

どうしてこのような現象になってしまうのかは一説によると『交感神経』が圧迫を受けていると言われています。

交感神経系の興奮によって、末梢血管は拡張しますが、胸郭出口症候群で腕の神経の束が圧迫を受けると交感神経系の興奮が伝わらないために抹消血管が拡張せず、循環障害が生じて、手の冷感や鈍痛になります。

難しい話はこれくらいにしておきましょう。とにかく、神経の圧迫で血管が拡張しなくなり、血液循環が悪くなり、症状を感じるということです。

不良姿勢と胸郭出口症候群の関係性について

胸郭出口症候群になった人の特徴的な姿勢が「なで肩」「いかり肩」です。

女性はなで肩で男性はいかり肩の方がこの疾患になりやすい傾向にあります。

いかり肩は鎖骨が上がっているので首の斜角筋といわれる筋肉に隙間がなくなり神経を圧迫しやすくなります。

なで肩だと、鎖骨は下がりますが、下がり過ぎると肋骨と鎖骨の間が狭くなり神経圧迫しやすくなります。

ですので、姿勢の状態を見てから施術をするほうが早く回復していきます。


運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 医学書院 P8参照

姿勢別、アプローチ法

いかり肩では首の緊張が増強し、斜角筋という筋肉が固くなることが原因です。そのため、斜角筋のリラクゼーションを行い腕の神経の圧迫を軽減することが重要です。 

イマイチイメージつかない方は今、肩をすくめるような姿勢をしてみてください。そのときに首に緊張を感じたらその筋肉が硬直することで神経圧迫につながってしまいます。

一方、なで肩は鎖骨と肋骨の隙間が狭くなることが原因です。この場合は僧帽筋という背中から肩にかけての筋力強化が需要です。

小胸筋という、筋肉を伸ばすストレッチを先にして頂き、その後に僧帽筋の筋力強化をすることが重要です。

当店ではどのような施術をするのか

ここまでの説明で胸郭出口症候群の原因とどんな症状がでてくるのか、そして姿勢別でのアプローチも変わってくることがわかって頂いたと思います。

そして最後に当店ではどのようにして問題を解消するのかをお伝えします。

当店では不良姿勢からの循環不良による痺れや痛みを多くみております。根本原因を血液循環を良くすることで損傷している部分に酸素や栄養が行くことで回復していきます。

施術はうつ伏せで軽い「トントン」と指でのタッピングで刺激をしていきます。軽い刺激ですが筋肉が緩んで姿勢が改善されていきます。

胸郭出口症候群という症状名に関係なく人それぞれの体に特徴がありますのでその方の骨格を見て適切な刺激を入れることで緩めていきます。

腕の痺れが意外な部分を刺激することで取れることもあるので多くの方は不思議がられます。長い間病院で薬を飲んでいる方などは短期間で変化が出るので大変喜んでいただいております。

職業病だからと放っておくと大変なことに

美容師の皆さんはこの職業で「独立したい」「トップスタイリストになりたい」などと夢と希望を持ってこの業界に入られたのではないでしょうか?

美容師の方はたまに整体に来られますが、たいていは1回きりの場合が多い印象です。

オーナーさんや上に行けばその限りではないのですが、入社したばかりの新人さんはお金や時間がなく、慣れない作業で体を崩しがちです。

多くの美容師の方を見てきて、体を壊して業界を離れたという方も見てきました。

このブログを見てくださった皆さんはこのようなことにならないように、しっかりケアをしながら職業人生を楽しんでください。